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骨盤矯正

(産後など)

 昨今、TV・雑誌等で「骨盤矯正(調整)をすると痩せる」などとの情報が目に付きます。さて、実際はどうなのでしょうか?

 また、骨盤矯正で腰痛が治る、生理痛が治るなどということも聞いたことがあると思います。

 

 「椎間板ヘルニアは骨盤矯正で治ります,」とまで言い切っている整体院の看板も見かけます。同じような内容のお問い合わせのメールや電話も多くいただきます。それらの内容をいくつかピックアップしてご説明いたしましょう。

骨盤矯正で痩せる?

  いつ頃からでしょうか?このようなものがTV・雑誌等で言われ始めたのは?

 

 カイロプラクティックを癒しと 考えているカイロプラクティックや整体院のホームページ、看板で見かけることが多々あります。

 

 痩せるとはどういうことでしょうか?体重が落ちる・体脂肪率が低下する・見た目が細く見えるなどなどありますが、そのいずれかでしょうか?それとも、厚かましくもすべてでしょうか?

  体脂肪が落ちるのでしたら、アメリカ政府公認医療のカイロプラクティックは本国での肥満問題に貢献していないのでしょうか?

 

 毎年、私はアメリカの学会に参加するため都度々々渡米していますが、肥満度は日本のそれと比べてハンパではありません。残念ながら、骨盤矯正は体脂肪率や体重の減少にまったく効果ありません。

 

 しかし、筋骨格の影響で多少体重が落ちる人は正直いらっしゃいますが、体重の減少には骨盤矯正の直接の効果はないものと考えて下さい。


 いろいろなサイトで、「骨盤矯正によって交感神経が活性化され、特に下半身の血行不良が改善されることで痩身効果がもたらされる」などと書いているところがあります。血行不良が改善されることは医学的にも実証されていますが、それがどう体脂肪・体重減少と関係してくるのでしょうか?ダイエットは摂取するエネルギーと消費するエネルギーのバランスで考えるものです。

 

 骨盤矯正することによるダイエットはあり得ません。

参考WEB クリック

骨盤ベルト?

 産後すぐに骨盤ベルトなどで締めつける人もいらっしゃるようですが、うまく収まる方向に歪んでいるなら効果は
あるでしょう。


 しかし、骨盤はベルトで締めて収まる方向だけにズレていることは極めて少なく、変に歪んだまま長期間締め付けますと歪んだまま固定化してしまい、思わぬ障害が起こることもあり、またその後骨盤矯正を行なって正しい位置に戻りづらくなります。


 また、本来骨盤を固定する筋肉の代わりをベルトが行っていますので、ベルトをすることで本来の筋肉が弱まってしまい、ベルトをはずすと下腹がポッコリ出てきたり、お尻が大きくなったり、ゆがんだまま固定された骨盤のせいで歩き辛くなったりすることが多々あるようです。

 

 当院にも、今まで何人も歩けなくなった人が来ています。

 

 過信は禁物です。くれぐれもお気をつけ下さい。

生理痛が改善する?

 当院において骨盤矯正をすることによって、生理痛が改善しています。以前来られたA子さんは。毎月、薬を飲んでも強烈な痛みで会社を休んでいました。病院にも通われ、漢方薬を飲んだりしておられたそうです。

 ある日相談に来られたその日から、婦人科に異常がないとのことですので、通院と漢方薬をやめていただき、週1回のペースで当院に通っていただきました。ただし、全ての生理痛が改善するわけではないです。睡眠不足や過労、食生活、ストレス等が複雑に絡み合っていますので、生活習慣の見直しも必要です。


 個人差もありますが、A子さんの場合は3ヶ月でまったく痛みがなくなり、以後元気にお仕事に励んでいらっしゃいます。このように婦人科において異常のない場合、ほとんどの生理痛は骨盤矯正で改善します。

産後の骨盤矯正

 元々からだにゆがみがありますと、妊娠中の体重増加による姿勢の変化で腰痛を起こすことが多くあります。
 しかし、自然な出産であれば出産後骨盤はきれいに元に戻ることが多いですので心配はいらないのですが、骨盤の状態が固まるまでの約一ヶ月間に「あぐらをかく」、「横座りが多い」、「椅子でひざを組む」などの無理な姿勢や悪い姿勢をとったり、重いものを運んだりしますと骨盤がずれて腰痛になったり元々腰痛のある人は更にひどくなります。


 いつも「横座り」や「添い寝」、「あぐら」で授乳していますと骨盤だけでなく、全体的に骨格がゆがんでしまいます。
 普段から偏った姿勢をとらないように意識して生活することが大事ですが、腰痛にならなくても産後一ヶ月以上経過しましたら、カイロプラクティックで骨盤や体全体のゆがみを矯正するようにしてください。

 妊娠中は誰でも、がにまた歩きになりますが、出産後足が外向きのままでは骨盤がいつまでも閉まりません。
 骨盤が開いたままでいますと下半身への血行が悪くなり下肢のむくみや冷え性の原因にもなります。また、下肢の静脈を圧迫しつづけることになりますので、加齢とともに静脈瘤ができることも多々あります。

 

 いずれにしましても産後には骨盤矯正は必要なことです。妊娠前の体型を取り戻すためにも、また次の妊娠の備えにも出産後の骨盤矯正をしましょう。

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